永住権に切り替えたい
1 永住権への切り替え
日本で永住権を取得すると、多くのメリットがあるため、現在の在留資格から永住権への切り替えを望む外国人は少なくありません。
もっとも、永住権は誰でも簡単に取得できるわけではなく、一定の要件を満たす必要があります。
本記事では、まず永住権取得のメリットを説明した後で、その後に具体的な取得要件について解説します。
2 永住権を取得するメリット
永住権を取得すると以下のような利点があります。
⑴ 就労の自由
在留資格による就労制限がなくなり、どのような職業にも就くことができるようになり、転職や起業も自由に行うことができます。
⑵ 在留期間の更新不要
在留期間の更新が不要になるため、期限を気にすることなく、安定した生活を送ることができます。
⑶ 社会的信用の向上
住宅ローンの審査、事業資金の融資が得やすくなるほか、クレジットカードや賃貸借契約の審査が通りやすくなるという利点を受けることができるでしょう。
⑷ その他
家族(配偶者や子供)の在留資格の取得・更新がしやすくなり、また、在留期間の制限がなくオーバーステイにならないため退去強制になるリスクが下がります。
3 永住権を取得するための要件
永住権を取得するためには、一部の緩和措置がある場合を除き、基本的に以下の要件を満たす必要があります。
⑴ 素行善良要件
犯罪歴、交通違反歴などが審査される他、税金・社会保険等の納付状況について審査されます。
⑵ 独立生計要件
日本で安定した生活を送ることができるだけの収入や資産があるかどうかが審査されます。
⑶ 国益適合要件
ア 居住要件
一般的に、引き続き10年以上、日本に在留していることが要件とされます。
イ 法令遵守
懲役刑や罰金刑を受けていないこと、税金、社会保険料、入管法に定める届出などを履践しているかが審査されます。
ウ 最長の在留資格
実務では、現在の在留資格の期間が3年あれば足りるとされているようです。
エ 公衆衛生上の観点から有害でないこと
4 要件を緩和する措置
日本人または永住者の配偶者・実子である場合や、定住者である場合など、外国人が置かれている状況によっては、上記の要件の一部を満たさなくても永住許可が認められる場合があります。
自身が永住権取得の要件を満たすかどうか知りたい場合には、永住許可に詳しい取次資格者へ相談するとよいでしょう。